『Fukuoka Smart East実現に向けた
“これまで”と“これから”』(全3回連載)
~ 第3回 気候変動にはどう対応していく? ~

気候変動により災害が激甚化する中、Fukuoka Smart Eastでは、イノベーション(最先端のテクノロジーや画期的なアイデア)を活用することで、気候変動リスクにも対応できる未来に誇れるモデル都市を創造していくことを目指しています。

 

【気候変動による災害リスク】

気候変動の影響による大規模災害が近年増えています。どうすれば災害時にスムーズに避難できるか、どうすれば生活に必要となるエネルギーが遮断されても生活を続けられるか、そうした災害を想定し、備えておくことがますます重要になってきています。

さらに、これからは、気候変動の要因となっている温室効果ガス、特に二酸化炭素(CO2)の排出を抑制することで災害そのものを減らしていくことも重要です。どうすればCO2の排出量が少ないエネルギーや建物を生活に根付かせられるのでしょうか。どうすれば、CO2を排出するエネルギーを効率良く使えるのでしょうか。

福岡市では、少子高齢化への対応と同様に、大きな課題となっている気候変動に対応するため、日進月歩の最先端のテクノロジーや画期的なアイデアを活用したサービス・取組み、すなわち「技助」が実装された、理想的なスマートシティの実現を目指しています。

 

【スマートシティのイメージ】

例えば、BIMデータ※等を基に実際の地形や景観を模して作成されたデジタル空間を普段から活用することで地震などの様々な災害リスクに応じた避難経路や行動をシミュレーションして、最適な避難計画が立てられている、また、非常時に電気やガスの供給が途絶えた場合でも、バックアップとなる非常用の自立したエネルギー源が確保されているまち。
 
※BIMデータ…Building Information Modelingデータであり、建物の設計時に作成される3Dデータ

地図上に避難経路を示すデータのイメージ

例えば、異なる用途の建物をエネルギー導管で連携することで、地域全体で効率的にエネルギーを使用できる、水素の活用や太陽光発電の活用などのCO2を排出しないエネルギーが生活に根付いている少ないエネルギーで快適に過ごすことができる設備や建物があるまち。

屋根に設置した太陽光発電のイメージ

 

こんなスマートシティであれば、災害に強く、環境にやさしい安全・便利なまちとして、住みたくなる、働きたくなる、訪れたくなるのではないでしょうか。

ただし、こういった「技助」の実装には、道路の掘り返しや建物の建替えが必要になることもあり、既存のハードを変えられない場合、その効果は限定的なものになります。効果を最大にするには、土地がまっさらな、まさにまちづくりの初期段階から、ハード整備を行う民間事業者と様々な「技助」を実装する民間事業者とが連携し、対話しながら、まちづくりを進めていくことが重要だと考えています。
 

様々なぎじょが幾重にもかさなるスマートシティのイメージ
 

 

最終回を迎えた『Fukuoka Smart East実現に向けた“これまで”と“これから”』。前回は少子高齢化、今回は気候変動に対応する「技助」が実装されたスマートシティのイメージについてお話ししてきました。ご紹介した様々なサービスや取り組みの一つひとつは、国内外で既に実装されているものばかりです。しかしながら、こういった様々な「技助」が幾重にも折り重なったスマートシティは、実はどこにも存在していないのです。

福岡市は、様々な社会課題を解決し、住む人・働く人・訪れる人たちの生活を支えていける、まだ世界のどこにもないスマートシティを、産学官民の連携により、実現していきたいと考えています。

 

 第1回:「これまでの振返りと今後の展望」
 第2回:「少子高齢化にはどう対応していく?」

 

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