福岡のまちを多様な観点でデザインする
--快適なライフスタイルとイノベーションが交差する未来のまちづくり「Fukuoka Smart East」とは?

豊かな自然とコンパクトながら必要な都市機能を兼ね備えた福岡市。 「スタートアップ都市」や「世界の中でも住みやすい都市」など、様々な文脈でまちとしての魅力が語られる一方で、日本国内で深刻化している少子高齢化や人口減少、環境問題など向き合うべき社会課題も多く存在しています。 様々な社会課題を解決しながら、持続可能なまちへーー快適なライフスタイルとイノベーションが交差する未来のまちづくりを目指す「Fukuoka Smart East」をご存知でしょうか? 国内外でスマートシティ構想が立ち上がっている昨今、福岡市でも新たな取り組みと未来のまちづくりへの挑戦がスタートしています。 

住みやすいまち・福岡市の「今」と「なぜ」 

日本の政令都市の中において、日本一の人口増加率を誇る福岡市。福岡を訪れる観光客数は6年連続で過去最高記録を更新しており、2017年には2000万人を突破しました。 国内外との交通ネットワークも充実しており、国際航空路線はフィンランドやアジアなど23都市を結んでいます。 福岡空港における国際便の発着は1週間で800便にも上り、観光だけでなくビジネスの交流地点としても成長しているまちです。 その成長理由のひとつは、福岡市の歴史と地形にあります。  

まず、博多港では国内最古の国際港としてアジア貿易が始まり、国際商業都市として栄えた博多は、商人の町として様々な交流を経て発展を続けてきました。 次に、福岡市には一級河川がなく、工業用水を必要とする製造業に不向きなまちだからこそ、第三次産業と呼ばれるサービス産業やITなどのクリエイティブ領域における産業拡大に力を入れてきました。 そのひとつの成果がスタートアップ都市としてのコミュニティ機能を持ったまちづくりです。 人口増加率と若者率の高さ、コンパクトシティとしての交通の利便性、オフィス賃料などビジネスコストの低さ、さらには成長するアジア市場への立地の良さーーこれらの「まち」としての強みを活かして、2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を行って以来、国内外のスタートアップの誘致や創業支援にも注力してきました。 

福岡市は現在、エストニア、台北、サンフランシスコ、シンガポール、バンコク、サンクト・ペテルブルグなど、計10カ国とスタートアップの相互支援に関する覚書を締結しています。 世界と九州を繋ぐハブとして、国内外のスタートアップ企業がチャレンジできるまちを実現するため、福岡で挑戦を続ける彼らとともに切磋琢磨しながら、コミュニティを醸成しています。  

未来のまちづくり「Fukuoka Smart East」 

約7年前から本格的に始動した「スタートアップ都市」としてのまちづくりを経て、より快適でイノベーション溢れる都市空間を目指す未来のまちづくり「Fukuoka Smart East」の取り組みが始まっています。 私たちは、少子高齢化や環境問題など、まちづくりにおける様々な社会課題を解決しながら持続的に発展していくまちを目指しています。その上で、快適で質の高いライフスタイルとイノベーションが生まれる都市空間を創出し、未来に誇れるモデル都市を創造していく必要があると考えています。 福岡の社会課題をイノベーションによって解決しながらより快適で誰もが住みやすいまちへーーそれが「Fukuoka Smart East」です。 

「Fukuoka Smart East」では、スマートシティ構想を特定のエリアで実証実験しながら、未来のまちづくりに必要な事例を福岡から発信していきます。 この実験結果をもとに、スマートシティへの取り組みを福岡市内、さらには全国へと拡大していくことを目指しています。 本プロジェクトの先駆けとして、今回対象となるエリアは「箱崎」にある九州大学箱崎キャンパス跡地です。 福岡の中心地である天神・博多まで最短5分という好立地を誇り、地下鉄、JR、私鉄の3つの駅に加え、約4km圏内に博多港、福岡空港という主要な交通機関に囲まれています。 様々な実証実験を行うのに適した約50haもの広大な敷地で、イノベーティブなまちづくりに取り組みます。  

2018年に九大箱崎キャンパスは、福岡市西区への移転が完了した今、教育や研究の拠点として栄えてきた歴史を尊重しつつ、新しい文化と挑戦を生み出す拠点を創出するため、下記のような方針を定めています。 

1)新たな活力·交流を生み出す 
2)充実した教育·研究の環境を生みだし、人を育てる 
3)安全·安心·快適で健やかに暮らす 
4)歴史文化資源を大切にする 
5)環境と共生し、持続可能なまちをつくる 

上記の方針に沿って、イノベーションと高質で快適なライフスタイルや都市空間づくりに取り組み、未来に誇れるまちを創造します。  

スタートアップ都市だからこそチャレンジできるイノベーションを 

「まち」という大きな都市空間を変えていくためには、規制や法律など様々な調整と協力が必要です。 今回の箱崎エリアでは、理想とする未来のまちづくりに取り組むために、国家戦略特区に認定された福岡市だからこそ実装できる下記分野におけるサービスやアイデアを募集しています。 

分野別サービス例

1) 移動(モビリティ)
2) 健康(ウェルネス)
3) 共有(シェアリング)
4) 生活(リビング)
5) 買物(ショッピング)
6) 製造(メーカーズ)
7) 物流(ロジスティクス)
8) 教育(エデュケーション)
9) 労働(ワーキング)
10) エネルギー
11) 安全(セキュリティ)

また、福岡市と福岡地域戦略推進協議会(以下FDC)等は、AIやIoTなどの先端技術を活用した社会課題の解決に繋がる実証実験プロジェクトを全国から募集し、福岡市(主に九州大学箱崎キャンパス跡地)での実証実験をサポートする「Smart East PoC Program」を実施しています。過去に採択されたプロジェクトを一部ご紹介します。 

CASE1:自動配送ロボットの走行デモ 

2018年11月、同エリアにて自動走行で荷物を運搬する自動配送ロボットの走行デモを実施しました。障害物を避け、狭い通路を自動走行できるほか、配達員など先導する人を追尾することができる配送ロボットです。人通りの多い道でスムーズに安全な配送を実現したり、重い荷物を運ぶことが困難な方にも役立つと期待しています。 

CASE2:スマートフォンと自動翻訳ツールを使った災害避難訓練 

2019年7月、外国人と地域住⺠等がスマホの自動翻訳ツール 「Kotozna Chat (※)」を使用しての災害避難訓練を実証実験として実施しました。災害発生時に送信される災害や避難に関するメッセージを各国の言語に自動翻訳して送信し、避難後の外国人と地域住民等とのコミュニケーションも同ツールにて訓練を行いました。 

※Kotozna株式会社が提供する異なるSNSサービス間で多言語同時翻訳ができるツール。FacebookとLINEのように異なるSNS間でも各ユーザの母国語でメッセージを送り合うことが可能。 

福岡のまちの未来を多角的にデザインし、より「住みやすいまち」へ 

スタートアップ都市の構築に現場のスタートアップの声が必要であったのと同じく、まちづくりには社会課題を解決する最先端の技術を持った専門家の声や、実際にまちに住む人々の声が必要です。 私たちだけでは実現することができないからこそ、皆さんのアイデアとともに誰もが「住みやすいまち・福岡」を実現したいと考えています。 

もっと快適でチャレンジできるまちを目指してーーこの想いと私たちとともに、真摯に取組んでくださるスタートアップ企業や事業者の皆さまの参画を楽しみにしています。 「Fukuoka Smart East」の取り組みについて、アイデアやご提案がある場合は、下記よりお問い合わせください。 

Fukuoka Smart East推進コンソーシアム 事務局 
info@fukuoka-dc.jpn.com